不安を克服する方法「曝露法」をまとめてみる。

 

以前、認知行動療法についてまとめた記事を書きました。今回は認知行動療法の一つ「曝露法」をまとめてみたいと思います。

ngshn99.hatenablog.com

 

不安の正体は。

まずは不安について理解していきます。

不安に似た感情として「恐怖」がありますが、両者の違いは何でしょうか。明確に区別する事は難しかったり人それぞれ解釈の違いはあると思いますが、私は次のように考えています。

恐怖:現実に起こる身の危険を感じること
不安:自分で作り出す仮想の感情のこと

これは恐怖?不安?と分からないパターンもあると思います。

(ex)熊に出くわした。
これは完全に恐怖ですね。仮想ではなく身の危険となる存在が目の前にあります。

(ex)上司に報告に行く場合。
話しかけると罵声を浴びるかもしれない。⇒不安
過去の経験から話しかけると100%罵声を浴びると分かっている。⇒恐怖
確率で判断するのは難しいですが・・・。上の例だと80%くらいなら恐怖?

不安の感じ方の研究。 

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不安に関する研究で、ある不安を感じ始めると7~8分後に不安のピークに達し、15~20分後にはその不安は解消されるというデータがあるそうです。ある不安を感じたら20分後位には「まぁ大丈夫かっ」てな感じで行動できるようになるという事です。

 

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しかし人は不安がピークに達するのが怖くて、ピーク前に「回避行動」を取ってしまいます。それによって不安は下がりますが、結局は「認知注意症候群」によって不安が増加してしまうのです。先ほどの上司への報告を例に具体的に見て行きます。

(ex)上司に報告に行くと罵声を浴びるかもしれない。
⇒①上司がいない間に資料を机に置いて付箋を貼っておこう。(回避行動)
⇒②上司が資料を読んだかどうか気になる。(認知注意症候群)
⇒③上司と会わない様に外出してしまおう。(回避行動)
⇒④戻ったときに上司が近くにいるか気になる。(認知注意症候群)

一時的に不安から逃げて(回避行動)も、結局その人・ことが気になってしまう(認知注意症候群)ことです。

これを繰り返していては全く解決にならない事は分かるでしょう。

ではこういった不安を克服するためにはどうすれば良いか。そこで曝露法の登場です。

 

不安を感じたままに行動、それが曝露法。

「今やるべき行動を思考せずに取ってみること。(怖いけど仮想だから)不安の対象を避けずに突っ込んでみること。」が曝露法になります。身をさらすという事ですね。

それを繰り返すことで徐々に不安のピークを下げることができます。

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上に書いた「思考せずに」というのは大変難しいことだと思います。ですが、回避行動を行なうときは必ず思考が入るので、考えないで感じるままに行動する事が大切です。不安を取り除くというよりは不安を乗り越えるに近いかなと思います。

恐怖に対して同じ事をやってはいけません。目の前に熊がいるのに「曝露法だっ!」なんてやってたら襲われます。恐怖の対処は逃避(物理的に距離を取る)か怒り(反撃、戦う)しかありません。

 

自分の行動が回避行動か、それとも曝露法による良い行動か、判断できる必要がありますね。そこでの判断基準は下記の通りです。

短期的にはメリット かつ 長期的にはデメリット だったら回避行動。

上の例でも分かる様に、結局先延ばしの行動を取っていたら回避行動という風に感ゲルと分かり易いと思います。

 

曝露法の練習はまず簡単なところから。

いきなり大きな不安で試すのはハードルが高いと思うので、まずは自分がやるのに簡単な環境で試してみましょう。

・少し不安だなという場所・環境に行ってみる。

・自分がお客さんの立場で、普段なら飲込んでしまうことを思い切って言ってみる。⇒大抵大したことではないと知る。

など。

 

先に説明した通り、不安はずっとは続きません。不安を感じる環境に突っ込んで、自分の不安が徐々になくなっている事を実感できたら曝露法の成果が出ているという事です。

 

まとめ。

今回は認知行動療法の一つ「曝露法」をまとめてみました。不安を感じるまま行動するので当然大きな不安を感じると思います。その事を頭に入れた上で曝露法を行なうことが重要です。不安は感じていい。D'ont think Feel.

では。