【書評】カモメになったペンギン【組織変革】【ジョン・コッター】

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45分で読めるペンギンの物語、そこには・・

 企業におけるリーダーシップ論・組織改革論の権威として国際的に有名なジョン・P・コッター氏の著書「カモメになったペンギン」

寓話風に書かれた本書にはイラストが盛り込まれており、一見すると簡単なお話のように感じました。しかし!単純明快なストーリーだからこそ、ジョン・コッター氏が提唱している組織変革のプロセスが、ペンギンたちを通してすっと自分の中に入ってきました。

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自分たちの住処である 氷山が崩壊する危機が迫っていることに気付いた、一匹の好奇心旺盛なペンギンが動き出すところから物語は始まります。そこから、それぞれ個性的な、でも長所を持っているペンギンたちを集めて5匹のチームを結成し、対策を練り始めます。

危機を危機だと信じない、そんな事が起こるわけないと思っている、コロニーの他のペンギンたちに呼びかけながら、自分や自分の子供たちの命を守るために、この困難に挑むペンギンたちの物語・・・。

 

これだけ聞くとただのいい話じゃん。って感じですが、ペンギンたちの挑戦はコッター氏が唱える下記の組織変革を成功させる8段階のプロセスが描かれています。

 

1.危機意識を高める

 周囲の人々に変革の必要性とすぐに実行する重要性を理解させる。

2.変革推進チームをつくる

変革を推し進めるには強力なチームが不可欠なことを認識する。それぞれ、リーダーシップ、信頼性、コミュニケーション、専門的知識、分析力、危機意識、に優れたメンバーが望ましい。

3.変革のビジョンと戦略を立てる

将来がどのように変わるのか、その将来をどのように実現するのかを明確にする。

4.変革のビジョンを周知徹底する

変革のビジョンと戦略について、なるべく多くの人の理解と賛同を得るようにする。

5.行動しやすい環境を整える

障害はできるだけ取り除き、そのビジョンを実現したい人たちが行動しやすくする。

6.短期的な成果を生む

できるだけ早い時期に、目に見えるはっきりとした成果を上げる。

7.さらに変革を進める

ひとつ成功を収めたら、その後は変革をさらに推し進め、加速させる。そのビジョンが実現するまでは変革に次ぐ変革で、手綱を緩めてはならない。

8.新しい文化を築く

新たな行動様式が過去の古い因習に完全に置き換わるまでは、その新しいやり方を持続し、それが成果を上げていることを確認する。

 

まずはペンギンたちの分析、そして自分に当てはめる

著者も語っていますが、本書は何度か精読することをお勧めします。まずは一気に読み上げる(すぐ読めます)。次は8段階のプロセスを意識しながらペンギンたちの行動を分析しながら読む。そして自分に当てはめながら読む。

自分の回りに何か課題はありますか。

会社が危ない、という大きいものではなくとも、所属しているコミュニティ、家族、この本を高校生が読んでいたら部活のチームなどなど、、、困難に直面している場合は上のプロセスに当てはめながら進めてみてはどうでしょうか。

物語の中身は実際に読んでもらいたいですが、自分はどのペンギンに成りえるか、障害となるペンギンは誰に当たるか、ぜひ考えてみてください。

 

一番の肝はメンバー集め、かな?

8つのプロセスは全て大切ですが、中でも一番はメンバー集めかと思います。自分1人では変革を起こすことは無理な訳で、自分が持っていない能力がある人をいかに集められるか、が成功にかかってきます。

必ずしも、自分がリーダーになる必要はないし、コミュニケーションが苦手なら得意な人に任せれば良い。

メンバーが集まってビジョンを共有できれば進められそうな気がします。

 

本書は8段階組織変革プロセスの書いた3作目らしいです。1、2作目も読んでみようかな。 

では。